あなたの働きたいを応援する架け橋 福島県福祉人材センター

福島県福祉人材センター資料集先進事例紹介

職場見学・体験事例紹介② 田島ホーム

事業所の方向け

地域の生徒とともに 介護や老いについての思いを深める

田島ホーム外観

 

社会福祉法人 南会津会
特別養護老人ホーム 田島ホーム

〒967-0006南会津郡南会津町永田字風下3-1 
TEL 0241-63-1111

種  別:介護老人福祉施設
    (特別養護老人ホーム)
職  員:71名 
利用定員:長期62名・短期8名

 

 

 

 

 

見学・体験 広報等 取り組み内容

小学校・中学校・高校の施設見学、中学生の職場体験、高校生のインターンシップ受け入れ。中学生のサマーショートボランティア、外周清掃などのボランティアの受け入れ。体験会やボランティア活動の様子をブログで紹介しています。

 


コロナ禍でも続けたインターンシップ 

中学生対象の「医療・介護のお仕事魅力発見」

 田島ホームは、1996年の開所当時旧田島町管内唯一の特別養護老人ホームでした。旧管内には、小学校4校、中学校2校、高校1校があり、コロナ禍前は児童・生徒、地域の皆さん年間のべ約300名が、見学や体験、ボランティアに訪れていました。「夏祭りは、利用者様はもちろん地元の皆さんも楽しみにしている行事で、毎年約100名の方がお手伝いに来てくださっていました」。そう話すのは、生活相談専門員の湯田瑞香(ゆだみずか)さんです。

 コロナ禍でボランティア等の受け入れを控えざるを得ない中、続けてきたのが高校生のインターンシップです。田島ホームでは、2023年の統合で県立南会津高等校に名称変更になる前の田島高校時代からの取り組みです。「少人数でしたので、感染症対策を徹底して続けました」。その際、大事にしているのが生徒の考えです。「オリエンテーションで、どんな進路希望を持ち、どんな体験をしたいのか聞きます。その上で介護福祉士、看護師、栄養士など、希望する職種の職員が指導に当たったり、入所施設で2日、デイサービスで1日と、3日間で多様な体験ができるようにスケジュールを組んだりしています」。インターンシップでは、マンツーマンで指導する職員が付き、食事介助など直接的な体験も行います。利用者様に話しかける際には、「元気に、大きな声であいさつができたら80%合格!」と、生徒が緊張しないようにアドバイスもします。

 ほかにも2023年は、地元の中学生が実際の現場を体験する南会津保健福祉事務所主催の事業「医療・介護のお仕事魅力発見」の会場として、介護福祉士の講話や高齢者疑似体験、利用者様とのふれあい、レクリエーションなどを通して、介護職の魅力を伝えました。

 


ボランティアを機に施設を知り就職へ

開所以来、コロナ禍前まで毎年恒例になっていた田島中学校の除草ボランティア

 田島ホームが、地元の学校からの要請を受け入れるようになったのは、管内初の特別養護老人ホームだったことが大きいとのことです。「学校さん側から『何かできることはないですか』と、積極的に声をかけていただいたと聞いています。私たちも高齢者施設を知ってほしい。ゆくゆくは一緒に働きましょうという気持ちがありますので、広く受け入れながら現在に至っています」と話すのは、宍戸英樹(ししどひでき)園長です。 

 中でも田島中学校の除草ボランティアは、毎年6月になると中学2年生(約60名)が敷地内の草むしりに訪れる恒例の活動でした。利用者様が作業を見守ったり、一緒に写真を撮ったりするなどの交流もありました。さらにこのボランティアを機に中学生の職場体験も、高校のインターンシップも田島ホームを選び、就職する生徒が毎年のようにいるとのこと。「学校の進路室に求人票を届ける際、インターンシップ経験者には、学校を通して直に生徒さんに届くようお願いしています。働きながら介護福祉士や理学療法士の資格取得を目指す職員もいますので、入職していただいた際には施設としても積極的に支援しているところです」

 

 


利用者様の笑顔も、職員の成長も

 インターンシップで高校生が通い始めると、利用者の皆さんが笑顔になるそうです。「ひ孫のような子どもたちと話ができるのは、ほんとうに嬉しいこと。指導する職員にとってもいい刺激になっています」と、湯田さん。田島ホームでは、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、見学・体験、ボランティア受け入れ体制など、学校からの要請に応えられるようコロナ禍以前の状態に戻しつつあります。交流を通して地域福祉や介護、老いについての思いなど、みなさんと一緒に深めていきたいと考えています。

インターンシップ受け入れのために職員皆で作成したスケジュール。

中学生の高齢者疑似体験。

福祉車両体験。

           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

課題や今後の取り組みについて

 生活相談専門員
湯田 瑞香(ゆだみずか)さん

 インターンシップで来られた生徒さんたちからは、「利用者様から『ありがとう』と言ってもらえたのがうれしかった」という感想をいただきます。でも、介護の仕事は、高齢の方が日々衰えていくところを見ていかなくてはならない一面もあります。看取りもあり、人生の最期に立ち会える尊い仕事だと思っています。

 3日間という限られた時間の中で、やりがいや介護の奥深さをどうすれば感じてもらえるか、伝えられるか…いつも考えています。 

 

 

 

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