あなたの働きたいを応援する架け橋 福島県福祉人材センター

福島県福祉人材センター資料集先進事例紹介

職場見学・体験事例紹介④ 南相馬市社会福祉法人連絡会

事業所の方向け

南相馬市の8つの社会福祉法人で連絡会を設立
それぞれの福祉分野を活かした出前授業を行う

南相馬市社会福祉法人連絡会パンフレット


南相馬市社会福祉法人連絡会
事務局:社会福祉法人  南相馬市社会福祉協議会内

〒975-0011 南相馬市原町区小川町322-1
TEL 0244-24-3415

●社会福祉法人 南相馬福祉会(高齢者)
●社会福祉法人 伸生福祉会(高齢者)
●社会福祉法人 福島県福祉事業協会(障がい者)
●社会福祉法人 福陽会(子ども)
●社会福祉法人 ちいろば会(子ども)
●社会福祉法人 車輪梅(高齢者)
●社会福祉法人 竹水会(高齢者)
●社会福祉法人 南相馬市社会福祉協議会(地域福祉) 

 

 

 

 

見学・体験 広報等 取り組み内容

南相馬市にある8つの社会福祉法人が連携し、定期的に「活動調整会議」を開きながら「子どもニコニコ元気塾」や、学校や市民対象の「出前講座」、こども食堂「みんなの食堂“ゆるっと”」などの事業を実施しています。活動の様子などはFacebookで発信しています。


講話や体験を通して福祉全般を伝える

まちづくり出前講座「ふくしの仕事について」。

 「子どもニコニコ元気塾」「出前講座」「こども食堂」を3本柱に掲げる南相馬市社会福祉法人連絡会(以下、連絡会)は、2019年に発足しました。翌年からの約3年間は、コロナ禍で「子どもニコニコ元気塾」の餅つきなど、実施が困難になったプログラムもあったそうです。そうした状況でも福祉をテーマとした「出前講座」は、同市内の小学校や中学校から毎年申し込みがあります。途切れない理由を事務局の青木圭太(あおきけいた)さんは、こう話します。「南相馬市では教育委員会が『まちづくり出前講座』を実施し、学校の先生が申し込みしやすい仕組みができています。メニューがあることで学校でも段階を踏んだ福祉学習の組み立てがしやすいのではないでしょうか」。

 連絡会では、毎年「健康・福祉」の分野で10項目を『まちづくり出前講座』に登録しています。特に人気があるのが「介護保険について」「障がい者への理解を深める」「ふくしの仕事について」です。講座の中身は、高齢者福祉、障がい福祉、児童福祉、地域福祉の4つの福祉分野で働く職員による講話が中心となっており、各担当者が資料を用意して学校へ出向き、仕事の中身や現状などを伝えます。要望に応じて車イス体験など、福祉体験学習を組み合わせることもあります。

 「4つの福祉分野の違いを知ることができ、福祉全般を学べるところが魅力です。こういった仕組みがなかった時は、先生が各施設に電話するなどして調整しなければなりませんでした。今は、教育委員会に申し込みがあれば事務局がワンストップで対応します」。

 中学校の総合的な学習で学んだ生徒からは、「保育の仕事に興味があります」「高齢者施設に興味を持ちました。実際どういう仕事なのか分かりました」など、うれしい感想が寄せられているそうです。

 


8法人で地域に出向くことを重視

まちづくり出前講座「障がい者への理解を深める」(車イス体験)。

 連絡会設立のきっかけは、2016年度の社会福祉法改正でした。「全ての社会福祉法人の責務として『地域における公益的な取組み』の実施が明記されました。そこで市内8つの社会福祉法人が、学習会や情報交換会を重ねて、地域に向けた取り組みを推進しようと立ち上げました」。事業の3本柱は、それぞれの法人ができることを話し合いながら、丁寧に組み上げていったものだそうです。「特に重要視したのが、私たちが地域に出向くことでした」と青木さん。

 設立から丸4年が経過した今、改めて8法人が連携するメリットを尋ねると、「各法人の『強み』が増し、『弱み』の補強ができることです。協力し合うことで、相乗効果が生まれて活動の幅が広がるほか、職員間の交流にもつながっていて、互いに大きな刺激を受けています」と話してくださいました。

 


これからも地域福祉の向上に尽力

 連絡会では、これからも3本柱の事業を継続していくそうです。

 こども食堂「みんなの食堂“ゆるっと”」については、コロナ禍で食堂形式からお弁当の配達形式に変更した今のスタイルで続けるとのこと。「第一金曜日はひとり親世帯。第三金曜日は、障がい者や高齢者の方が中心で、各法人から職員が交代で配達を担当しています。子どもの施設の職員が高齢者や障がい者のお宅を訪問することもあり、多様な交流が生まれて、担当した職員はみんな『楽しい』と言っています。食堂形式だと高齢者や障がい者の方が移動が困難なため参加できない場合もあります。私たちとしては、隅々まで活動が行き届く配達形式を残していくことで一致しました」。事業を通して課題を共有しながら地域福祉の向上に尽力していきたいそうです。

南相馬市教育委員会 「まちづくり出前講座メニュー」。

まちづくり出前講座「介護保険について」(職員による寸劇)。           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


課題や今後の取り組みについて

事務局
南相馬市社会福祉協議会
地域福祉課 課長
青木 圭太(あおきけいた)さん

 出前講座には、「講話や体験をきっかけに福祉に興味を持っていただき、将来は地元で福祉関係の仕事に就いてもらえたら…」という願いが込められています。これからも私たちは、共生社会に向け地域を支えていくための活動を続けて参りますので、学びたいテーマがありましたら「まちづくり出前講座」を通じて、気軽にご用命ください。 

 

 

 

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