あなたの働きたいを応援する架け橋 福島県福祉人材センター

福島県福祉人材センター資料集先進事例紹介

職場見学・体験事例紹介⑥ 郡山福祉会

事業所の方向け

職員参加型の取り組みで地域と人とがつながる場を創る


社会福祉法人 郡山福祉会
特別養護老人ホーム うねめの里
地域密着型特別養護老人ホーム うねめの里 はるひめ

〒963-0211郡山市片平町字妙見舘1-2
TEL024-961-8633

●種  別:介護老人福祉施設
          (特別養護老人ホーム・地域密着型特別養護老人ホーム)
●職  員:うねめの里69人、はるひめ36人
●利用定員:うねめの里80名(入居)、はるひめ29名(入居)

うねめの里YY通信

うねめの里お仕事ホットライン

 

   

 

 

 

見学・体験 広報等 取り組み内容

見学ツアー(年2回)と、希望に応じた職場体験を開催しています。告知は、近隣の高校・専門学校・大学訪問時のほか、LINE公式アカウント「うねめの里のお仕事ほっとライン」、YY地域交流活動の多様なプログラムと連動させながら行っています。地元の幼稚園の慰問や小学校の介護体験、中学校の職場体験も以前のように再開できればと考えています。

 


ありのままを伝える見学ツアー

 郡山福祉会が運営する「うねめの里」および「はるひめ」では、介護を知ってもらうために「見学ツアー」と「職場体験」の2つの取り組みを行っています。

 「見学ツアー」は年2回開催し、学生や求職者が対象です。「職場体験」は広く一般の方も対象とし、参加者の希望に応じて半日、1日、3日間など複数のプログラムを準備しています。特に希望が多いのは半日パターンだそうです。毎年6月に総務部長の豊田英人(とよたひでと)さんが、高校や大学・専門学校を訪ねた際に告知するほか、合同就職説明会やLINEの公式アカウント「うねめの里お仕事ほっとライン」でも案内しています。

 見学ツアーでは、Q&Aと職員の生の声を特に大切にしているとのこと。施設サービス部長の逵乃介(つちだいすけ)さんは、その理由をこう話します。「見学に来る方は、仕事のやりがいだけでなく、現場職員が日々感じていることを知りたいと思っているのではないでしょうか。そこを丁寧に応えていくようにしています。例えば、『仕事は大変ですか?』と聞かれたら新人、リーダー、主任が、それぞれの立場で大変さを伝えるようにしています。その上で『確かに大変だけれども、相談できる相手がいるから続けられるし、大変な事は大変と言っていいんだよ』という話もします。我慢する必要はありません。それを言える環境が大事なので」。

わかりやすいチラシを作成して、見学ツアーや職場体験の告知をしています。

 最近は、人間関係についての質問が増えているとのこと。「まず『チャンスは平等、結果はバラバラです』と伝え、働き始めたら『相談しやすい人を見つけてね』という話もします。人間関係の中には、入居者様との関係もあり、それもやはり人間らしさと考えます。何か悩みがあっても対応できるように相談体制や、場合によっては人事異動ができる環境を整えているので、ありのままを伝えることを大事にしています」。

 

 

 

 

 

 


現場職員の生の声が施設を身近にする

現場の職員と対話できる見学ツアー。

 10年ほど続いている見学ツアーは、「求職者への説明を現場で働く自分たちに任せてほしい」と、逵さんが上司に願い出たことがきっかけだそうです。「説明会で聞いた話と違うとか、こんな感じじゃなかったとか…。採用された新人が抱えがちな入職後のギャップの解消策として、職員の生の声を伝えたいと思いました」。参加者と職員の本音のやり取りが、不安を取り除き、就職を考える際の選択肢の一つになればという願いも込めたとのこと。

 職場体験については、「うねめの里のケアを体験していただきたいのと、そもそも介護とはどういう仕事なのかを知ってほしくて開催しています」と豊田さん。見学ツアー参加後、職場体験を希望される方も多いそうです。参加者のアンケートでいただいた意見を取り入れ、常に改善に努めています。

 


さしくりそうYYカフェ・さらなる地域交流の場

認知症があってもなくても、ご本人やそのご家族、地域の方々、専門職など、誰もが参加できる集いの場「YYカフェ」。

 以前取り組んでいた「YY健康教室」や「YY体験塾」などの、多様な地域交流活動もコロナ禍により一時中断していました。そうした中、2023年度は「YYカフェ」を開催しました。ここでも郡山福祉会では、職員の力と声を大事にしています。「介護の魅力や奥深さを自分の言葉で話すことで、責任感や自覚が深まります。知識や技術を伝えることで、介護の専門性も磨かれ、意識の向上につながっていると感じています」と豊田さん。再開が待たれる地元の小学校の介護体験や中学校の職場体験も、コロナ禍前は積極的に受け入れていました。「はるひめ」には、中学校の職場体験がご縁で、就職された職員もいるそうです。

郡山市立片平小学校の介護体験。

 

 今後は、コロナ等の感染症の状況を見極めながら、小・中学校の見学や体験の受け入れ再開はもちろん、地域の方のお声をお聞きしながら、集いの場・交流の場として「YY地域交流活動」を広げていきたいと考えているそうです。

 

 


メッセージ

 

人財研修育成室 総務部長
豊田 英人(とよたひでと)さん

 見学ツアー、職場体験については、試行錯誤しながら取り組んでいます。そうした中、あえてお伝えするならば特別養護老人ホームは、どこも一緒ではないということです。相性もあるでしょう。だからこそ見学ツアーや、職場体験に参加されるとよいと思います。ご自分の大切な人生です。自分の目で見て、職員の声に耳を傾けて、肌で感じたら必ず何かわかったり、感じたりするものがあるはずです。まずは、一歩踏み出してください。お待ちしております。 

 

 

 

 

 

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